NEWCOMERS
March, 2005

The Essential(2002)
Barbra Streisand
Disc 1
1 A Sleepin'Bee
2 Cry Me A River
3 I Stayed Too Long At The Fair
4 Lover, Come Back To Me
5 People
6 My Man
7 Second Hand Rose
8 He Touched Me
9 Don't Rain On My Parade
10 Happy Days Are Here Again
11 On A Clear Day
(You Can See Forerver)
12 Stoney End
13 Since I Fell For You
14 What Are You Doing
The Rest Of Your Life?
15The Way We Were
16 All In Love Is Fair
17 Lazy Afternoon
18 Evergreen (Love Thema from“A Star Is Born”)
19 My Heart Belongs To Me
20 You Don't Bring Me Flowers
(Duet with Niel Diamond)
21 The Main Event/Fight
22 No More Tears
(Enough Is Enough)
(Duet with Donna Summer)
Disc 2
1 Woman In Love
2 Guilty
(Duet with Barry Gibb)
3 Comin' In And Out Of Your Lofe
4 Memory
5 Papa, Can You Hear Me?
6 A Piece Of Sky
7 Putting It Together
8 Not While I'm Around
9 Send In The Clowns
10 Somewhere
11 All I Ask Of You
12 Children Will Listen
13 As If We Never Said Goodbye
14 I Finally Found Someone
(Duet with Bryan Adams)
15 Tell Him
(Duet with Celine Dion)
16 I've Dreamed Of You
17 Someday My Prince Will Come
(Bonus Track-Previously Unreleased)
18 You'll Never Walk Around
(Bonus Track-Previously Unreleased)
 今月はこの一枚というか、二枚。
 前々から欲しいと思っていたバーブラのベスト版である。彼女の顔を見ると、若かりし頃の田中真紀子やアストラッド・ジルベルトを思い出すのは私だけだろうか。これは、容貌が私の好きなタイプに属しているという意味である。バーブラは1942年生まれだから、もう60歳をこえている。このCDのジャケットは、夢を壊さないための配慮だろうか。今でもこんなにきれいだったらすごいけど…。
 女優としての評価には意見が分かれるが、歌には定評があるし、私の大好きなシンガーの一人である。ミュージカルや映画を知らなくても彼女の歌だけは知られていることだろう。
 有名なものをあげるとすれば、ミュージカル「ファニー・ガール」の“People”(1964)、映画「晴れた日に永遠が見える」の“On A Clear Day”(1970)、ロバート・レッドフォードと共演した映画「追憶」の“The Way We Were”(1974)、彼女自らが制作総指揮をとり主演した映画「スター誕生」の“Evergreen”(1976)あたりだろうか。
 このアルバムではデュエットが何曲か取り上げられている。ドナ・サマーやブライアン・アダムス。ビージーズのバリー・ギブとのデュエットは、評価をうけてはいても私のバーブラとはちがう。これは私の趣味の問題にすぎない。
 いずれも異色の組み合わせなのだが、特に異色なのは、ニール・ダイヤモンドとのデュエット“You Don't Bring Me Flowers”だろう。声質がまったく違う。ところが驚くべきことにみごとに「はまっている」。「異質なものが調和しあっている」とでも言ったらいいのだろう。ニール・ダイヤモンドの曲もいいので、すばらしい出来になっている。セリーヌ・ディオンとのデュエットは、声質や歌い方が似ているだけではなく、どこか「同志的な結びつき」を感じる。
 バーブラはジャズの名曲も歌っている。しかし、“Someday My Prince Will Come”はいいのだが、“Cry Me A River”は「ちょっと違うな〜」と思ってしまう。バーブラの甲高い声はジャズにはあまりあわない。そう感じるのは私だけだろうか。
 とはいっても、バーブラがすばらしいシンガーであることにはまちがいがない。日本での初演を見たことがある「キャッツ」の“Memory”を聴くのは、男性シンガーではバリー・マニロー、女性シンガーではバーブラ・ストライサンドと決まっている。これは私の「決まり」である。彼ら以外でこの曲をちゃんと歌えているシンガーを知らないだけかもしれないが……。
 この“The Essential”というアルバムでは、名盤の誉れ高い“The Broadway Album”(1985)からDisc2の7〜10の4曲が採用されている。とりわけ、“Send In The Clowns”や「ウエスト・サイド・ストーリー」の名曲“Somewhere”はほんとうにすばらしい。こういうのを歌っているから、「バーブラ・ストライサンド」なのである。

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