Faye Wong “Eyes On Me”(1999)

 「インベーダー・ゲーム」がはやっていた時代があったが、ほとんどやったことがなかった。それからずいぶんたってから、「ゼビウス」が登場した。この「ゼビウス」から、私のゲーム生活が始まった。

 「インベーダー・ゲーム」を結構やっていたらしいJun様と出会って、デートの待ち合わせ時間が微妙な時は、いつの間にかゲーム・センターが待ち合わせ場所になった。食事に行く前に、百円玉を並べて、とりえず「ゼビウス」だった。


 結婚するにあたって買ったものの中に、FM7がある。富士通のPCだ。本体とディスプレイを買ったのだが、結局は本体をテレビにつなげてゲーム機になってしまった。ソフトは、最初はテープからの読みとりで、次は5インチのフロッピーになった。NECの88と並んで、私(たち)にとってパソコンはゲームを楽しむものだった。パソコンが本来の役目を果たすようになったのは、PC98を買って「DOSのお勉強」をはじめてからだった。


 ほどなく、家庭用のTVゲーム機が出だした。最初に買ったのは「ピュータ」だった。「ファミコン」を買ったのは、ずいぶん後になってからである。いわゆる「ツインファミコン」というやつだ。それから、「PCエンジン」を買った。「天外魔境」をやりたいためだった。さらに、「セガサターン」と「プレイステーション」。格闘ゲームとレースゲームは、この二台のどちらかでやっていた。

 さらにさらに、「プレステ2」。発売日にネットを通じて手に入れた。初期不良で二回修理に出した。電話での失礼な対応に、温厚な私も「プチッ」と切れた。ちょっと脅し文句を言ったら、急に態度を変えた。そういう人間は嫌いなので、ますます腹が立った。最後が「ゲーム・キューブ」。これは「ピクミン」のためだけに我が家にやって来たようなものだ。現在「ピクミン2」で稼働中である。これからも新機種が我が家にやって来ることだろう。

 最後にX-BOXが来ないのは、「DOSのお勉強」をしたにもかかわらず(?)、Windowsユーザーではないからだ。ゲーム業界も牛耳ろうたってそうはいかないのだ。新型X-BOXの噂がある。CPUはインテルではなくIBMのを使うらしい。Macと同じじゃないか。もう「ウィンテル」なって言っている時代ではなくなったということだろう。


 私が属している業界では、私のゲーム好きは少し知られている。そのため、某ゲーム雑誌からインタビューを受けたことがあった。「バイオハザード」のような「残酷なシーン」や「暴力的表現」について何か言え、というものだった。少しばかり二日酔いぎみだったが、1時間くらいきちんと話した。しかし、記事になったのはほんの一部で、誤解されている部分もあって残念だった。同じ時期に別の「まじめな」雑誌のインタビューも受けた。テーマはゲームではなかった。この時も、かなりきちっと話したつもりだっが、真意が伝わらず変な記事になっていた。どうも編集者に恵まれないようだ。


 我がパートナーのゲーム好きは、私を凌駕するほどである。一度「はまる」と、いろいろな意味で「大変なこと」になる。本当に「大変なこと」になる。しかし、最近はJunchanを(そして私を)大変な事態に追い込むゲームがないというよりは、「自制心」が身に付いてきたので、平和だ。「ぷよぷよフィーバー」で、「自制心」が本物であることが証明された。ところが、Junchanは、最近腱鞘炎になった。「ピクミン2」が直接的な原因ではない、が、間接的原因ではある。こ、これは・・・。いろいろな、いろいろな原因が・・・あるのです。

 腱鞘炎にもならず、平和に「はまれる」のが「ファイナルファンタジー」である。これはやりこむ。Junchanは、私以上に「笑えるほど」やりこむ。「おまけのゲーム」があれば、徹底的にやる。隠れキャラがいれば、絶対探し出す(たとえば、コヨコヨ)。キャラにすべての魔法と技を覚えさせる。FFX-2(「えふえふ てん つー」と読む)では、「やりこみ具合」がパーセントで出る。100パーセントまでやる。ついでにいえば、コーラのおまけのFFキャラも集めまくる(今は「ピクミン」。これがなかなか集まらない)。「なぜそこまでやるの」と聞かれたら、「ゲーマーの妻だから」と彼女は答える。


 “Eyes On Me”は、FFVIIのテーマ音楽である。あの「癒し系CD」の“Feel”にも収録されいる。FFの音楽は総じて好きだ。オンラインゲームをやらない私たちにとって最新のFFであるFFX-2では、倖田のクミチャンが歌っている。“Eyes On Me”が好きなのには、それなりに理由がある。曲や歌詞がいいからだけではない。この曲は、FFの重要な側面を表している。FFは、冒険の物語でもあれば、愛の物語でもあるのである。

 たとえば、FFX-2は、マルチエンディングになっている。「やりこみ具合」によってエンディングが変わる。私は失敗したが、Junchanはやりこんで、ユーナと実体化したテューダとを出会わせることができた(知らない人には「何のことやら」だが)。こういうことが、感動的であったりするのが、FFなのである。


 おじさん、おばさんが「ゲームが好き」と言うと、それを聞いた人が親密感を持ってくれる場合もあるし、ちょっと「ひく」場合もある。格闘技ばかりではなく「プロレスも好き」あるいは「プロレスが好き」と言う場合にも、似たような事態が生じる。これは仕方のないことだ。「ゲーム好き」や「プロレス好き」との出会いには、微妙な雰囲気がある。お互い「相手の出方をうかがう」ようなところがある。「ゲーム好き」や「プロレス好き」であることがわかると、一挙に話がもりあがるのだが。

 嬉しかったとがあった。私の甥は「学生の分際で」結婚した。様々な事情が彼にそのような決断をさせた。彼が彼女を連れて、我が家にやって来た。彼女がゲーム好きであることがわかった。しかし、単なるゲーム好きではなかなった。その時、我が家でチョットしたブームになっていたPS用の“オトスタツOtostatz”をやってもらった。それなりに練習を要するゲームである。簡単なこつを教えた。彼女が始めた。私とJunchanは、口をあんぐり開けて顔を見合わせた。「う、うまい」。あなどれない「ゲーマー」だった。ヨッちゃん、いい嫁さんもらったね。

 「ゲーム好き=TVゲーム好き」というわけではない。私(たち)はボード・ゲームも好きである。ボード・ゲームについてあれこれ書くこともあるが、残念ながら「音源」がない今日この頃である。


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