セヘ ボン マニ パドゥシプシオ (パドゥセヨ) 新年の挨拶である。「新しい年の福をお受け取り下さい」という意味で、年末にも年始にも使われる。元旦(正月)は ソル。陰陽暦それぞれに元旦があり、新正(陽暦元旦)は2日間、旧正(陰暦元旦)は3日間が休日となる。今でも、旧暦で祝う人が多いようだ。
目上の人に、今年も健康でいて下さいとお辞儀と一緒に願いを込めて言葉を贈る新年のご挨拶がセベムーナン。それが済むと、「一所懸命勉強しなさい」「早く結婚しなさい」と一人一人にお言葉をかけていただき、セベトン(新年+銭=お年玉)を頂戴する。それが韓国の正月だ。
“ユンノリ”という双六に似た伝統的な遊びがある。2組に分かれて、ゲーム盤の上に置いた4つの駒を廻して早くあがった方が勝ちになる。サイコロの代わりに“ユッ”と呼ばれる木の枝を切った形のものを4つ使い、これを投げて、落ちたときの裏表で点数を決める。文房具店でも売っているようなポピュラーな遊びだそうだ。日本の正月にする遊びは? と聞かれたら、羽根突き、たこ揚げ、福笑いと答えるが、どれだけの家庭でやっているのか最早わからないように、“ユンノリ”がどこでも楽しまれているかは、私には知る由もない。
代表的な正月料理は、“トックク”(餅+スープ=雑煮)。餅はうるち米で作られたもので、細長い棒状に練ったものを斜めに薄く切り、牛や鶏でダシを取ったスープに加える。正月には毎年食べるので、年齢を尋ねる際、「トッククを何杯食べたか?」と聞いたりする。地方によってダシの取り方に特徴があり、京幾道利川ではキムチと豚肉の餃子を入れるのが定番だそうだ。トク(餅)は正月に限らず、冠婚葬祭には欠かせないもので、種類も沢山ある。楽園洞は、貴族屋敷御用達の商人や職人の多い町であったが、今でもこの界隈は“餅と韓菓の街”として、一般庶民たちにも認識されている。
めでたい席に欠かせない料理が “チャプチュ”(雑菜)。春雨と野菜・肉をいっしょに炒める。新宿のあるお店では、ヨン様が注文した!ということで、一番人気のメニューになっているそうだ。
ポッサムキムチ、神仙炉(シンソルロ)、九節板(クジョルパン)などの宮廷料理や接待料理もあるのだが、食べたことがないので、今は語れない。残念。
韓国の祝祭日をご紹介しておく。
1月1日 新正 正月
旧暦1月1日 民族の日 旧正月
3月1日 三一節 1913.3,1に始まった反日独立運動を記念した日
4月5日 植木日 国土緑化のための日
旧暦4月8日 釈迦誕辰日 釈迦が生まれた日
5月5日 子供の日 子供の日
6月6日 顕忠日 国家防衛のために犠牲になった人を奉る日
7月17日 制憲節 1948年の憲法公布を記念する日
8月15日 光復節 1945年に日本の植民地支配から解放されたことを記念する日
旧8月15日 秋夕 日本のお盆と秋分の日を会わせたような祝日
10月3日 開天節 漢民族の始祖,檀君が紀元前1933年に国を興したとされる記念日
12月25日 聖誕節 クリスマス
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