「韓日ことわざ事典」(高麗書林、1985年、若松實編著)を買ってしまった。対訳注解、1000のことわざが載っている。日本の「なるほど納得ことわざ辞典」も Candoで買った。結構知っているつもりの日本の諺が、怪しくなってきたのだ。
というのも、辞典をめくっていると、日本の諺と思っているものが、韓国のことわざ、あるいは慣用句として載っているからだ。
韓国のことわざ 対訳
一寸先は闇 一寸先の地獄
馬の耳に念仏 馬の耳に風
逃した魚は大きく見える 逃したものに小さなものなし
判で押したように 鋳型にはめたように
鼻柱が強い 鼻息が荒い
飛ぶ鳥をも落とす 飛ぶ鳥も落つ
血で血を洗う 骨肉相食む
叩いて埃の出ない人はいない 新しい畳でも叩けばゴミが出る
恩を仇で返す 陰にいて枝を折る
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また当然ではあるが、故事成語として中国から入ったものもある。
好事魔多し 月に叢雲花に風(好事多魔『西廂記』)
大きな堤も蟻の穴から崩れる 千丈の堤も蟻の一穴(螻蟻潰堤『韓非子』)
兎をすっかり捕まえた猟犬を煮る 狡兔死して走狗煮らる(狡兔良狗『史記』)
唇がなければ歯が冷たい 皮引けば身が痛い(脣亡歯寒『春秋在氏伝』)
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そして困ったことに、対訳というのも怪しい。編著者も巻頭で記しておられるとおり、同じ内容同じ表現であっても、それぞれにその意味するところが異なる場合がある。
僧に櫛/僧に髷 たいそう求めることが難しいもの
他人には必要なものでも自分には役に立たぬもの
対訳:猫に小判 ハングル訳:貴重なものの価値も分からず使い道がないたとえ
辞典: 実際にはありえないこと きわめて入手しにくいのもの
驢馬の耳飾り とんでもないところを不必要に飾るとかえって醜くなることをいう
対訳:豚に真珠 ハングル訳:貴重なものの価値が分からず使い道がないたとえ
辞典: 必要のないところを不釣り合いに飾り立てること
ハングル訳はただしいが、対訳としては?だろう。
今、頭の中がこんがらがって、ごちゃごちゃだ。今回は、分かりやすいものを羅列する。
*面白みの湧く谷にトラが出る
*桑も摘んで恋人にも会う
*一頭の馬の背に二つの鞍を載せようか
*頭を煮れば耳まで煮える
*弓を引いて鼻水を拭く
*陶器の甕を割って真鍮の甕を得た
*庭で朝鮮人参を掘り当てた
*薬屋に甘草
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