ハングルを始めたのも、きっかけはある。フジテレビではない。深夜番組“チョナンカン”の草剪剛さんである。この番組は、草剪さんが韓国の街中で女の子に声をかけて、インタビューするという内容のものだった。企画が持ち上がった時、彼はスタッフが付けてあげると言った通訳を断り、自分で家庭教師を雇って、会話の勉強をしたという。そして2ヶ月で番組として成り立つほど、ハングルを喋れるようになったのだと知った。
*マルカヌンデ ソドカンダ 『馬の行けるところは牛でも行ける』 そう思った。行けなかった。
もう少し、草剪さんのことを書こう。彼はSMAPの中でもおとなしく、秀でて輝いていたというわけではなかった。蜷川幸雄さんの舞台に立つことになったが、稽古をしていても、どう演じていいか悩んでいた。その時、‘自分の思ったとおり表現していいんだよ。オレが責任持つから。’と蜷川さんに言われ、その言葉に応えようと頑張れたし、自分なりの表現方法を見つけられたように思うと、言っていた。(蜷川さんは「彼は化けた。天才だ。」と評しておられた。)
そこにもってきて、ハングルだ。ハングルは、思っていることをストレートに言う。草剪さんは、こんなにはっきりものを言ってもいいんだと分かり、勉強にも熱が入ったそうだ。
そう、ハングルはストレートだ。辞書を見ていて驚くのは、例文にもけっこう激しいものがあることだ。“〜するくらいなら”という例文は、英語だったら「彼に金を貸すくらいなら、ドブに捨てた方がいい」というのを思い浮かべるところだが、ハングルだと「言いたいことを言わないでいるくらいなら、死んだ方がましだ」とくる。“破る・割るの強調語”の項には「お前のようなやつは、頭をかち割って殺してやりたいよ」!
今回は、そんなハングルの“ことわざ”をお届けする。
*金さえあれば娘の金@@でも買える
*ただならロバでも殺して食う
*自分は食べたくないし、他人にやろうと思うと惜しい
*食べたことは罪ではない
*家が焼けても南京虫が死ぬからよい
*鼻水がついた餅でさえも奪って食べる
*もらしたものは糞ではないのか
*油を浸みこませた革は柔らかい
*寝ていてもらった病気
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